November 21
2013 10:16 PM

来訪者

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昼下がり

リビングで仕事をしてたら

突然ガラス窓に衝突音。


窓の外を見ると

そこに1羽のトリが佇んでた。


2013-11-21_01.jpg
どうやら思いっきりガラスに激突したらしい。。。




脳震とう状態なのか

しばらく動かない。




一応心臓は動いているみたいで

身体は小刻みに震えている。





そのまま10分くらいが経過。




、、、さすがに動かなすぎだろ。






この辺りの野生の生き物は人間に馴れていないため、

鹿でもリスでも人の気配を感じればすぐに逃げ出すというのに。



窓を挟んでいるとはいえ

2mくらいの距離に人間が近づいても

まったく動こうとしないトリ。


もしかしてこのまま死んじゃうんじゃないか、と心配になった。





心配しながら窓越しにじっと眺めていると

やがてトリは正気を取り戻したのか

首だけを動かして

ぼんやりと空を見上げた。

2013-11-21_02.jpg

ガラスに気付かなかっただけの事故だと思ってたけど

もしかしたら世の中に絶望したトリが

トリなりに自害を試みた結果だったのかもしれなかった。



トリはもう一度あの空へ戻るべきか否か

悩んでいるようにも見えた。






かなり長いこと空を眺めたあと

トリは突然こちらを振り向き

俺に何かを語り出した。

2013-11-21_05.jpgくちばしをパクつかせ

明らかにこちらに何かを訴えかけているようだった。




「トリはトリでいろいろあるのさ。。。」


という類いのことを言っていたのかもしれない。






そのままトリと俺は2,3分見つめ合った。

2013-11-21_04.jpg






やがてトリは意を決したように踵を返し

木枯らし吹きすさぶ秋の空へと

再び飛び立っていった。



頑張れトリ。
世の中捨てたもんじゃないぞ。

と、心の中で思った。




その後、

しばらくトリのことを考えていたら

ばあちゃんが元気だった頃

毎朝実家の庭に来る鳥達の為に

フランスパンの固い部分などを撒いていたことを思い出した。



俺も明日からフランスパンの固い部分などを

この家のテラスに撒いてみようと思った。



ASA




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